「野田昌宏さんを偲ぶ会」の記録


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2008年9月23日(秋分の日) に開催された「野田昌宏さんを偲ぶ会」では、以下のような企画が行われました。

第1部

Part1: 幼少時代

九州福岡で幼少時代を一緒に過ごされた野田さんの弟・野田玲二郎さんと、妹・田中淑子さんにご登場いただき、当時の暮らしや父・野田健三郎氏の影響など、後に野田さんの創作活動の源となったと思われる、興味深いお話を伺いました。

出演者:野田 玲二郎、田中 淑子

Part2: テレビマン

Part2では本業であったテレビマンとしての野田さんにスポットをあて、一緒に働いたお仕事の仲間に思い出を語っていただきました。
また、野田さんの出演した番組やイベントの映像を編集したスペシャル上映も行いました。

出演者:平松 滋、溝呂木 淳爾

Part3: SFファン・研究家

野田さんはSFの翻訳家・作家としてはもちろん、SFファン・研究家としても創成期から活動をされていました。Part3では、野田さんが日本SF大会の実行委員長を務めた当時を知る古参SFファンの方々にお集まりいただき、当時の思い出を語っていただきました。

出演者:

大宮 信光(おおみや のぶみつ)
SF乱学者/科学ジャーナリスト。1938年生。68年、野田さん命名の“柴野拓美をアメリカに追っ払う会”で募金活動に従事。柴野さんの留守中、TOKON IVを野田昌宏実行委員長のもと、事務局長としてはたらく。73年、柴野夫妻の媒酌、野田さん司会、伊藤典夫さん乾杯の音頭で、私どもの結婚披露宴。82年、TOKON VIIIの実行委員長となり、メイン・ホールのディレクターを野田さんの部下に依頼。

佐藤 昇(さとう のぼる)
1948年生。『SFマガジン』の創刊に遅れること2年半、1962年(中学2年生)にファンジン『SFコンパニィ』を創刊。年少者のファンジンが珍しかった時代でいつしかBNFの末席を汚すようになる。70年頃からファンダムとは距離を置くようになるが、その後TV番組制作の仕事を通じて、野田さんとの接点はありました。

島本 光昭(しまもとみつあき)
1949年生まれ。SF研究家(専門は古典SF、東欧SF)。1963年科学創作クラブ(現「宇宙塵」)入会。野田さんとは宇宙塵の例会で1965年ころ知り合う。ご多忙のところを鶉山荘のアパートへは何度もお邪魔した。

新戸 雅章(しんど まさあき)
1948年神奈川県生れ。学生時代からSFファン活動に参加。評論誌『SFの本』を発行し、SF評論、創作などに従事。主な著書に、『天才の発想力』『逆立ちしたフランケンシュタイン』『発明超人ニコラ・テスラ』『バベッジのコンピュータ』などがある。

Part4: 翻訳家・作家

SFファンにとって、やはり野田さんは翻訳家であり作家です。野田さんの作品を世に送り出してきた、出版各社の編集者の方々にお集まりいただき、翻訳家・作家としての野田さんについて語っていただきました。

出演者:込山 博実(早川書房)、細井 恵津子(元早川書房)、小浜 徹也(東京創元社)、伊藤 靖(河出書房新社)

第2部

日本青年館4階の宴会場アルデに場所を移して、立食のパーティーを開催。野田さんの思い出を語り合いました。

展示・販売

会場内にて、野田さんの著書や、ゆかりの品の展示を行いました。

著書・訳書・関連書籍

野田コレクター井上博明が長年にわたって集めてきた、野田さんの著書・訳書・関連書籍のほとんど全てを一同に展示。また、重複している書籍等(ダンボールに3箱ほど!)が特別に販売され、絶版になっている野田さんの書籍を探している方にはまたとないチャンスとなりました。

ゆかりの品

ご遺族からお借りした野田さんゆかりの品や、宇宙軍やファンが作った野田グッズなどを展示しました。

書籍販売

現在流通している野田さん関係の書籍を、出版社のご好意で会場にて販売しました。

パンフレット「輝く星々のかなたへ!」

参加者に配布されたパンフレットは、“野田さんは宇宙に旅立った…”というイメージから、キャプテン・フューチャーシリーズのタイトルの一つをとって「輝く星々のかなたへ!」と名づけられました。
宇宙軍が改訂を重ねてきた野田さんの著書・訳書・関連書籍リスト、野田さんへのメッセージ、野田さんのエッセイの採録、そして野田さんの妹・田中淑子さんが幼少時代の思い出を綴った特別寄稿などが掲載されています。
B5判60ページ。