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スペースオペラ用語辞典/た行

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大宇宙の探求者[だいうちゅう・の・たんきゅうしゃ](大宇宙の探求者)

  1. 現題は“SubSpace-Explorer”(亜空間の探求者)。創元SF文庫・絶版。

  2. おそらくスミス作品でもっとも知名度が低いであろう作品。

  3. “亜宇宙航法”(ワープ航法みたいなものらしい)中の事故をきっかけにして一種の超能力に目覚めた主人公たちが、人類社会の分裂の危機を救うという内容。サブスペースでの冒険はほとんどなく、タイトルから色々期待すると失望する。また内容そのものも知名度に相応しい出来栄えであり、忙しい人にはおすすめできない。

  4. ところで文中では“超能力”という訳語はなく、すべて“心霊能力”と訳されていて、これが筆者がこの作品にもう一つ「入り込め」ない要素の一つにもなっている。どうやら“宇宙に進出した人類はその知覚能力を大幅に拡大させた”(おおっニュータイプ!)というアイデアのようである。いっそのこと“超能力”“超知覚”といった平凡な訳語でも良かったんじゃないかな?

太古の爬虫類[たいこ・の・はちゅうるい](参考)

  1. 恐竜形の怪獣が出現するたびに「太古の爬虫類」の一種として説明される、というシーンはすっかり御馴染みであるが、肝心の恐竜は「爬虫類」から別れた生物ではあっても「爬虫類の一種」と呼ぶには多少語弊があり、むしろ「恐竜類」とでも呼ぶべき生き物であるようである。

    「恐竜」は我々の日常感覚から言って十分巨大であるものの、「怪獣」と呼ぶほど巨大でも不死身でもないことを我々は知っており、「太古の爬虫類」の方が「そうかあ、何たって太古だもんなあ、どんなのがいるか分からんもんなあ」と言うように、分かったような分からないような分だけかえって不気味さがあるような気がするのは、筆者だけであろうか?。 「むむむ、***君見たまえ!これは太古の恐竜類の一種だよ。」では、具体的すぎてちょっと迫力不足だなあ。

  2. パルプ雑誌全盛時のSFでは、ちょっと気温と湿度の高い惑星には大抵これが住んでいることになっていたそうである。ちょっと安易だとは思うけれど、これが出ないと「安手のスペオペ」らしくなくて物足りませんもんねえ。

  3. 一時の怪獣映画では、太古の巨大生物と言えば何でもコレにしてしまう癖があったようで、「妖星ゴラス」の後半に登場するセイウチ怪獣も「太古の爬虫類」にされていました。


第十番惑星[だい・じゅうばん・わくせい](参考)

  1. まだ発見されてない十番目の惑星のこと。

    天王星の運動については単独で説明が付かない“摂動(ゆらぎ)"が観測されており、「これは更に外縁を公転する惑星の重力によるものである」とする理論により海王星が発見されたことは良く知られている。しかし海王星の質量だけではまだ天王星の摂動をすべて説明するには不足であり、これを更に更に修正するため、更なる外縁軌道の惑星を求めて発見されたのが“冥王星"である。

    ところが、地球の数倍程度の質量が期待されたにも関わらず、冥王星のそれは月の1/6程度に過ぎず、これが「太陽系には冥王星よりも外縁を巡る十番目の惑星があるのでは?」という仮説のもとになっている。
    外惑星の運動に摂動があるのは事実のようであるし、近い将来第十番惑星が発見される可能性は高そうだ。

  2. 宇宙活劇の世界においては上記の様な“地道な”第十番惑星などあまり登場せず、もっぱら「もう一つの地球」として扱われることが多い。(別項「もう一つの地球」を参照のこと)

  3. ところで、ちょっと見方を変えると既に太陽系には十個めの惑星があることに気が付く。それは我々が夜毎に仰ぎ見る月である。地球と月の直径比は、他の惑星と衛星の関係(例えば、木星とその衛星群との大きさを比べてみれば良い)から見ればほとんど二重星と言って良い。

  4. と、ここまで気持ち良く書いてきたのだが…「虫の知らせ」というか何か引っかかるものがあって、試しにアシモフの科学エッセイをぺらぺらめくってみると、何と「第15巻:宇宙の秘密」にこうあった。
    「…カロンの直径は冥王星の約半分で…冥王星とその衛星のカロンは地球と月よりも二重星の適切な候補である(すまんね、諸君!)。」

第二段階レンズマン[だいに・だんかい・れんずまん](第二段階レンズマン)

  1. レンズマン・シリーズ第3作。

  2. ロバート・ブロックによればSFファンの進化には7段階ある(ファンの7段階:奇想天外別冊3「ドタバタSF大全集」所載)そうである。それに比べれば、まだまだ大したことは無いと言えよう。

太陽の女王号[たいよう・の・じょうおう・ごう](太陽の女王号シリーズ)

  1. アンドレ・ノートン作のジュビナイル作品。ストレートな宇宙冒険SF。若造が宇宙貨物船「太陽の女王号」に乗り込み、鍛えられ、やがて一人前の宇宙の男へと成長していく様を描いた作品。第2巻で翻訳が止まって久しい...

  2. ずーっと昔(松本零士氏がブームになっていたころであるから、とっても昔)のSF大会で、翻訳者の柴野先生に御会いした時、「太陽の女王号」の続き(第3巻以降)はいつ出るんですか?とお聞きしたことがあった。
    柴野先生のお答えは、確か「沢山の人から続きが読みたいとは言ってもらえるんだけど、そのほとんどの人が表紙は松本さんのイラストでなくちゃ絶対いやだって言うもんでねえ、困ってるんです。」であった。

    その後、どうしても続きが読みたくなり、ペーパーバックで未訳分を買ってきたこともあるのだが、筆者の英語力ではどうしようもなく、あきらめた思い出がある。

  3. 柴野先生、もうそろそろいかがでしょうか?


ダイン[だいん](参考)

  1. 綴りは「dyne」,力学的な力の単位で、1ダイン=“質量1グラムの物体に1センチメートル/毎秒毎秒の加速度を生じせしめる程の力”である。単位は「gcm/s^2」と記述する。

  2. 現在ではISO単位(国際標準単位系)として“ニュートン”(N)が使用されるので、ダインにお目にかかることはほとんど無くなっている。ちなみに、1dyne=10^-5 Nである。

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地球の汚名[ちきゅう・の・おめい](地球の汚名)

  1. 豊田有恒氏作の和製スペースオペラ。ご本人があとがきで書いておられるように、忠臣蔵を下敷きにした作品。今読んでも結構いけます。

    筆者の持っているのはハヤカワ文庫版であるが、そのうちハルキ文庫あたりに再録されるかもしれない。

  2. 言うまでもないが、何から何まで忠臣蔵から持ってきた物ではなく、98%くらいまではオリジナル(つまり忠臣蔵の要素は2%位)であるが、これがかえって、最近まで時代物にハマッていた筆者にとってはちょいと物足りない点のような、そうでないような...


超サイクロトロン[ちょう・さいくろとろん](キャプテンフューチャー・シリーズ)

  1. 「透明惑星危機一髪!」に登場する、それまでのサイクロトロンとは桁違いに高出力を発生できるサイクロトロン。6個で1セットになっているらしい。

  2. 冥王星の苛酷な環境を改善するための動力源として特に開発されたが、物語りの前半ウル・クォルンにより強奪された。
    クォルンの目的は、例の無いほどに遠距離航行可能な大型で強力な宇宙船を建造するため...であったが、キャプテンフューチャーのライバルを自任する割にはこれくらい自分で作れんのかなぁ?



潮汐力[ちょうせき・りょく](参考)

  1. 天体が互いの重力により及ぼしあう力で、「潮の干満」をもたらす力として知られていることから、この名が付いた。

    潮汐力は物体の別々の箇所に働く重力の僅かな違いに起因する、一種の見かけの力である。

    天体が周囲に作る重力場は距離によって僅かづつ弱まるため、天体から遠ざかる方向に対しては均一にはならない。このため、重力源の天体に近い部分はその天体に引き付けられる様に、また反対に重力源の天体に遠い部分は天体から遠ざけられるように(実際には「おいてけ堀」を食らっているだけだが)働く。重力源に近いほうが遠いほうよりもより強く引きつけられるため、落下する物体全体としてはあちこちで加速にムラが生じ(重力に引かれて落っこちる割合にバラつきが出る)、ために引き裂かれるような力を感じることになるのである。

    この力が引き裂かれる方の天体の表面重力を越えると、当然のことながら表面(相手の天体に近いところ)から順にバラバラとはがれてしまう訳で、「ロッシュの限界」に入った天体が破壊されるのはこのメカニズムによる。

  2. また潮汐力が自転する天体に作用すると、潮汐力による歪みの位置は天体の上を自転に従って移動し、これは丁度、ほうずきの実を指でグリグリ揉んで柔らかくするのと同じようなもので、惑星の表面〜内部に一種の摩擦熱を発生させる。木星の衛星のイオでは大規模な火山活動が観測されているが、この源泉も木星から受ける潮汐力によるものらしい。

    この摩擦は天体の自転に対しては抵抗として作用するので、天体は徐々に自転速度を熱エネルギに変え・発散しつつスピード・ダウンしていくことになる。この摩擦力による自転の消耗がもっとも少ない状態は母星に同じ面を向け続ける(公転と自転の周期が一致)状態であり、この状態が最も安定しているのだ。我々の月が地球に同じ面を向け続けているのはこの所為であって、別に高度な宇宙人のメッセージとかではない。

  3. ところで、潮汐力といえば思い出されるのは、パペッティア人(ラリー・ニーブンの既知宙域シリーズに登場)である。宇宙一の臆病で知られる彼らは自分たちの母星についてのデータをひた隠しにしているのだが、たまたま潮汐力について無知だったばっかりに、一部とは言うものの母星についてのデータ(衛星がない)を知られてしまい、確か主人公にエライ額をユスリ取られてしまった筈だ。

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吊り[つり](参考)
  1. 映画・TVの特殊撮影技術の一つ。正式には「操演」と呼称される。

    細い金属線によって撮影対象(ミニチュア・モデルだけでなく、俳優をそのまま吊る場合もある)を吊り上げ、機械仕掛けによって移動させるなどし、あたかも飛行しているかのように操作する技術のこと。

  2. CGやコンピュータ制御によるカメラなど、ハイテク特撮全盛のアメリカ映画に比べ、昔ながらの操演・着ぐるみ・ミニチュアワーク主体の日本特撮に対し、しびれを切らしたファンが「吊りは日本の伝統芸」などと揶揄したこともあるが、これは実はシャレでも何でもなく、我国においては、操演技術は歌舞伎の「宙乗り」から発展したものと言えるから、当然のことなのである。

    上映時に吊り下げ用の金属線が見えてしまう様では台無しという訳で、背景と同色に塗ったうえで画面に溶け込むように照明を工夫するのが基本のようである。円谷特撮全盛期には零戦の編隊が飛ぶ1カットのために半日かけて照明を調節したこともあると聞く。

    また人間の先入観を利用して、背景もモデルも上下をひっくり返したこともあったそうである。
    この場合、映画の画面ではミニチュア・モデルの下方向に吊り下げ用のワイヤがあるのだが、観客はミニチュア・モデルの上面にワイヤがあると思い込んでいるので、まず大抵の人は気がつかないのだそうだ。

  3. カメラを固定してミニチュア・モデルを移動させるため、モデルの安定を考えて大寸・大重量の模型となりがちで、固定モデル+移動カメラ方式よりもモデルの動きに制約があるなどの欠点も持っているが、反対に大寸・大重量の模型による重量感のある画面を撮影するには適しているとも言える。

  4. 現在こうした操演がもっとも多く見られる(楽しまれている)のは、映画よりも舞台の上である。

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ティコ・ブラーエ[てぃこ・ぶらーえ](参考)

  1. 16世紀デンマークの天文学者。超新星の観測で業績があり、ガリレオ以前では最も有名な天文学者の一人。新星をノヴァ(NOVA)と呼ぶのは、ティコの著作のタイトルに由来する。

  2. ご存知フューチャーメンの住まいする「チコクレータ」は、ティコ・ブラーエの業績を称えて名づけられたものである。


ディプラスター[でぃぷらすたー](天界の王,スターキング)

  1. その内部の恒星系を含め宇宙空間そのものを全て消滅させる(異次元空間へすっ飛ばす)という、宇宙活劇史上おそらく最強の武器。

    戦艦の艦首に設置された巨砲であり、(ラインスターの「最初の接触」に登場する船首熱線砲とならんで)「波動砲」の原イメージのひとつと思われるが、その威力は遥かに巨大で想像を絶するものがある。

  2. ディスラプタによって「空間そのもの」が失われた場合、失われた部分を穴埋めするが如く「周囲の空間」が雪崩をうって「空間の失われた部分」へ流れ込もうとする。このため一度にあまりに大量の空間が失われると宇宙の構造・配置そのものに影響し、果てはとり返しのつかない事態ともなりうる。

デジャー・ソリス[でじゃー・そりす](火星シリーズ)

  1. ご存知、バルスームはヘリウム帝国の「傾国の美女」
    SF史上最高の美女の一人として、あまりにも有名。

  2. 「火星のプリンセス」をお読みの方には説明を要しないが、彼女(と言うか、赤色火星人は)は卵生である。「火星のプリンセス」のラスト近くで、ジョン・カータと彼女が自分たちの子供(卵)を“うっとり”と見つめているシーンに衝撃を受けた方も少なくあるまい。

  3. ところで復刻版の出版を機会に読み返して見て、ちょいと変なことに気がついてしまった。

    先ずジョン・カーターが最初に火星に来た時の様子を思い出して欲しい。そう、彼は一種の幽体離脱+テレポートによって火星に来ているのである。つまり、肉体は地球に置いたままだ。

    つまり火星のジョン・カーターとは、実は精神のみの存在なのであり、一種の純粋知性体(!?)のようなものと考えられる。
    とすれば、彼が剣を振るい美女を抱きしめ勇を唱えるのも、全てはカーターの強力無比な精神力が物理的な効果を及ぼしたことによると言わざるを得ない。(一種の傍証として、原作でもジョン・カータが類まれな精神力とテレパシーの持ち主であることははっきりと書かれている。)

    ちょっと見には受け入れ難い話のようだが、根拠となる部分はバローズ自身が原作の冒頭で明示的に書いていて(本当は“つい書いちまった”と言うべきであろうが)、読者なら誰でも知っていることである。
    ついでに言うと、こんなことを言っているのはもちろん筆者だけではなく、以前から幾人ものバローズ研究家が多少の違いはあれ指摘しており、ここを根拠に「バルスームは死後の世界である」と主張する研究者もいるそうである。

    さて、以上を認めた上で原作を読み返すと、巻末で大変なことに気がつく。と言うのも「精神のみのカーター」と「デジャー・ソリス」との間に息子が出来ているからである。(後の巻には娘も登場する。)
    これはどのように解釈すれば良いのであろうか?

    筆者の考察は以下の2つである。

    一つは「デジャー・ソリスには「恋人たち(by P.H.ファーマー)」に登場する“ラリサ”のような能力がある」とするものである。
    この場合彼女は、地球人のみならず誰の子供でも宿せる能力があり、こう考えるとデジャー・ソリスが緑色人(どう見ても非人類)に“かどわかされる”ことにも、やや消極的ながら理由がつく。

    二つ目は“デジャー・ソリス自身を含む赤色人すべてが純粋知性体の一種である”とするものである。これは「バルスームは死後の世界である」とする説を多少SF的に推し進めたものと言っても良い。
    当然、「カーター」と「デジャー・ソリス」との間に息子が生まれたように思えるのも、2つの純粋知性体から一部を寄せ合って「マージ」したものと考えられる。

    この場合、デジャーソリスにも肉体がないのであるから、彼女がとてつもない美女に見えるのも「彼女を形成する知性体が外部に発信する信号」中に「美人だぞー」+「究極だよー」といった抽象度の高いコードが多量に含まれているためと考える他はない。(バルスームは美男美女ぞろいであるから、デジャー・ソリスの場合は、上記のコードを発信するレートが他と比べてひときわ高いというだけなのかもしれない。)
    こういった抽象コードの場合、実際の解釈(情報の解凍と言っても良いだろう)は受信者自身のデコード特性に委ねられるため、大抵の場合は「自分の最も好み」の姿がアウトプットされるであろう。
    20世紀初の地球人が見れば「地球人そっくりの美女」に、バルスームの緑色人が見れば「フェロモン緑色女」にと、それぞれ都合の良い形態に解釈されるのである。こう考えても、彼女が緑色人に“かどわかされる”ことには十分理由がつく。

    さて、あなたはどちらの解釈がお好きでしょうか?

鉄槌[てっつい](銀河パトロール隊)

  1. 銀河パトロール隊の主力艦種のひとつ。

    攻撃力を最高レベルに高めた戦艦の一種。およそ理論的に考えられる限りの威力を持った破壊ビームを装備しており、ボスコーン要塞破壊戦の切り札となった。当然攻撃力以外の性能は2の次になっており、特に速力は最も低い艦種のひとつ。よって単独の運用は考えられず、他の高速戦艦などと併せた時に最大の能力を発揮できる。艦砲射撃専門の超戦艦と考えても良いであろう。

    当初から、銀河パトロール隊はボスコーンに対し数的・質的に劣勢であり、一隻のパトロール艦も無駄には出来ない状況であった。このため単独運用できない艦種の建造など考えられなかったが、キニスンの提案により建造され、ボスコーン要塞掃討戦などに投入され良好な運用実績を上げた。

  2. 重武装・低速で、高速戦艦という艦種が発生する以前(日露戦争ごろ)の巨大戦艦のイメージそのものと言える。

デルゴン貴族[でるごん・きぞく](銀河パトロール隊ほか)

  1. デルゴン人の支配階級。 一般のデルゴン人とは異なり、翼はない。レンズマンにしてようやく抵抗できるかできないか?という位に強力な催眠テレパシーの持ち主。

  2. 他の生物(特にヴェランシア人)を各種の拷問によって「ゆっくり」と死に至らしめ、その過程で生命力を貪り食うというなかなか趣味の良い種族.。

  3. キニスン,バン・バスカークと協力したウォーゼルによって滅ぼされた.。


デルゴン人[でるごん・じん](銀河パトロール隊)

  1. 惑星ヴェランシアと同一太陽系にある惑星デルゴンの住人。 頭部が猿にているが、体全体は巨大な有翼爬虫類のような生物。 複数の階層に分かれた封建的な社会を形成しているらしい。エッドール人により悪役エリート予備軍として育成されていた種族の一つだったが、エッドール人の思惑に反し成長はいまひとつであった。このためエッドール人の手間を余計に取らせる羽目になり、エッドール人の対銀河パトロール隊計画に多少の計画遅れを出す一因となった。
    エッドール人の銀河征服プランには---アリシア人による巧みな妨害工作とは別に、こうした小さな計画倒れが度々発生していたと思われる。

  2. 強力なテレパシーの持ち主で、一種の催眠術によって他の生物の意志を奪うことができる。 同じ太陽系の住人たるヴェランシア人とは天敵のような関係。ヴェランシア人を一種の食用家畜として扱っている。


テルビウム[てるびうむ](キャプテンフューチャー・シリーズ)

  1. 「輝く星々のかなたへ!」に登場する金属の一つで、「振動ドライブ」の構造材料として使用されている。

    振動ドライブはロケットエンジンなどとは桁違いの高出力を発生するため、特別設計の筐体に収め宇宙船の船体にがっちり固定する必要がある。また振動ドライブは「電磁波の高周波振動」を放射して推進力を得る原理であるから、これを収めるケースも電磁波に対して極めて高い透過性を持っている必要がある。

    以上より、テルビウムとは「強度」と「電磁波に対する透過性」を高いレベルで併せ持った金属と推測できる。普通の宇宙船の船体に利用されない(利用されているという記事が無い)のは、「ごく当たり前に使用されているので、わざわざ記述されない」か、または「希有でコスト高なので、商業宇宙船には使用されない」かのどちらかであろう。


天下布武[てんか・ふぶ](参考)

  1. 銀河パトロール隊の基本理念の一つ。

  2. ボスコーンの基本経営方針の一つ。

テンソル[てんそる](参考)

  1. 「銀河乞食軍団」シリーズにおいて、金平糖錨地の整備士たちの会話に度々登場する用語。「高級な理論を理解しているらしい」という雰囲気を出すための、一種の小道具として使用されている。

  2. 本来は数学用語で「二つのベクトルがあった時に、片方がもう片方の一時形式で表される時に、その結びつきの度合いを示す量」という意味…らしい。物質内部に蓄積された歪みなどの指標としてもテンソル量が用いられるようである。
    実は筆者にもよく分からない。学校で習っている筈なのだが。

  3. だれかこいつを分かり易く説明できるヒトはいませんかあ?

電流戦争[でんりゅう・せんそう](参考)

  1. こう書くと何だか1900年頃の作品のタイトルのようだが、実はれっきとした技術史上の出来事で、1885年頃エジソンとニコラ・テスラの間で起きた「直流と交流では、どちらが送電システムとして優秀か?」といった論争のこと。

    当初テスラは「交流送電システム」をエジソンに売り込みに行ったのだが、交流の利点が理解できなかったエジソン(ひらめきは天才だったが、高等数学の教育を受けてないため)に受け入れられず、ウェスチングハウスの後援のもとテスラ電気会社を設立し、自らエジソンに対抗していくことになったのだった。
    理論的にはテスラ側が完全に優位であったが、エジソン側は「交流が危険であること」を示そうとして「交流による電気椅子死刑装置」のデモを行ったりと、結構あこぎな妨害キャンペーンも行ったらしい。

    当時既にエジソンは電力会社を経営しており、直流をベースにしたエジソン・システムを実用化していたが、直流システムゆえの問題を抱えて行き詰まりつつあった。 大電力を送電する場合、効率の良い電圧変換が困難な直流では最初から低電圧(エンドユーザの使用するのと同じ電圧)・大電流の形で供給するほかはなく、これがためそこいらじゅうで電圧降下を引き起こし(つまりは送電途中で熱エネルギーとして電力が消費されてしまい)、肝心のエンドユーザのところでは思ったような電力が使えなかった。

    これに対して、テスラが実用化した交流送電システムは、変圧器を用いて簡単に電圧変換が可能であるためエンドユーザのすぐ傍まで高電圧で送電でき、送電経路のほとんどで大電流を流す必要がない(電力を高電圧・小電流の形態で送れる)ため、エジソンシステムのような欠点を持たなかった。

  2. 現在の配電システムは100%交流であることからも御分かりの通り、論争の結果はテスラの勝利であったが、種々の事情によりテスラに経済的な成功はもたらさなかった。


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動輪[どう・りん](銀河パトロール隊)

  1. ブリタニア号から脱出したキニスンたちがボスコーンの宇宙船を奪取して帰還する途中のシーンで、「バーゲンホルム(機関)の動輪が回転している」との描写がある。
    訳文からだけでははっきりしないが、フライホイールのことではなかろうか?

    フライホイールは角運動量の形でエネルギーを蓄積することが出来るので、一種のバッテリーとして利用されていると思われる。


独立レンズマン[どくりつ・れんずまん](グレーレンズマン)

  1. グレーレンズマンの正式呼称、と思われる。

    独立レンズマンに対しては銀河パトロール隊の通常の指揮系統は適用されず、自身の判断に基づいての行動が完全に認められている。また任務遂行に当たって銀河パトロール隊そのものと同様の権威が与えられており、あらゆる場合について捜査・逮捕・裁判・刑の執行にわたる幅広い権限がある。また公務遂行のため、いかなる援助をも現地政府に対して独自に要求することが出来る。

  2. 独立レンズマンを主人公に幾多の映画が作られたが、史上もっとも有名な作品は、「アーウィン・アレン製作+岡本喜八監督+円谷英二特技監督」で映画化された「独立グレー隊」「独立グレー隊、西へ」であろう。



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