倍力機構[ばいりき・きこう](参考)
バカメと言ってやれ[ばかめ・と・いって・やれ](参考)
圧倒的に押し寄せるドイツ軍からの降伏勧告に対して“Nuts”と回答したのがそれ。Nuts=“石頭の大バカ野郎”という意味のスラングである。またNutsには男性の睾丸という意味もあるので、この場合戦争状態であることを考慮に入れて、より口汚なく“きん○ま野郎”と訳すのが適当であろう。
バーゲンホルム博士[ばーげんほるむ・はくし](ファーストレンズマン)
バーゲンホルム機関[ばーげんほるむ・きかん](銀河パトロール隊)
パーセク[ぱーせく](参考)
ハードSF[はーど・えすえふ](参考)
ベルヌのころの古典的な「科学小説」では「実現可能な未来」を予測したり警告したりするのが目的であった。「科学的に正確でありたい」というスタンスこそ似てはいるが、現代SFの1ジャンルたるハードSFでは「新鮮な科学的アイデアをポイントを外すこと無くずんずん拡張していくことにより、いかに驚くべきストーリー,驚くべきヴィジョンを提示できるか」に力が注がれる。
反動推進駆動系[はんどう・すいしん・くどうけい](銀河辺境シリーズ)
ブラッドベリの短編には、ロケット好きの少年が連れ立って宙港にロケットの打ち上げを見に行くというシーンが出てくる。
反応兵器[はんのう・へいき](参考)
しかしながらストーリの必要とするところにより、核兵器並みの破壊力を持った兵器を登場させたい場合もある。このような場合に、あからさまに「核兵器」と言う代わりに一種の言い換えとして「反応兵器」という名称が使われている、と推定される。
しかし実際はアリシア人の精神力によって形成された疑似肉体と人格による存在で、アリシア人のオーバテクノロジーを地球人へ伝えるために作られた人物である。よって両親を含め全ての経歴(おそらく数代に遡って)は、アリシア人によって慎重に創作されたものであろう。
1パーセク=約3.26光年=約30857×10の12乗メータとなる。
現在のように灯油(の一種)を燃やして飛ぶほど「端迷惑」でも「無粋」ではないものの、宇宙空港の傍では洗濯物が乾かなくて大変だろうなあ...
銀河辺境シリーズの宇宙にもそんな少年達は沢山居るに違いないが、きっと全員ぬれねずみで風邪でも引いて帰ってくるのであろう。(という訳かどうか知らないが、銀河辺境シリーズにおいても最初の離陸には慣性駆動系を使用することになっている様である)
ヒステリシス特性[ひすてりしす・とくせい](参考)
秘密の波長[ひみつ・の・はちょう](参考)
秘密の波長の一つや二つ割り当てが無いようでは、一流の情報員とは言えませんな。
おまけに、電波というやつは波長の長いのから短いのに向かって1系統しかないので−−−たとえ秘密の波長というのがあったとしても−−−大体の帯域さえ判明してしまえば、後は根気良くスイープしていれば何時かは見つかってしまうということになる。こうなってしまっては秘密の波長もへったくれも無く、まったくつまらない世の中になってしまったものである。まあ、こうなっては時間軸をずらして(つまりいつ通信するか分からない様にして)高速・短時間で送信するなどし傍受を防ぐしかない。
ちょっと話題がズレるが、「月は無慈悲な夜の女王(byハインライン)」のなかで、一旦録音した音声を数倍の高速で再生し、メッセージを送信するというシーンが出てくる。これなど現在の高速秘匿通信のイメージを先取りしているとも言えるシーンで、さすがはハインラインですなあ。(電話回線の伝送帯域を多少無視しているような気もするけど、人間の音声の冗長性を考えるとまあ不可能でもないかな。)
これに暗号化技術を取り入れれば、なんとか実用的な秘匿通話になるように思える。どんな暗号も時間を掛ければ解かれてしまうのだろうが、現在のようにめまぐるしく状況が変化する社会では「解読にある程度手間の掛かる暗号」でさえあれば実用性があるといって良かろう。
このため、その筋の専門家が軍艦や軍用機の写真を見ただけで、レーダの大体の周波数帯やら形式やらが分かってしまうものらしい。
また別の案として、思いっきり広帯域な変調をかけるという方法もある。デジタル圧縮が施されている場合、受信が不完全だと元に戻すのも一苦労だろうから、ようするに完全な形で傍受されなければそれで良い、という考え方である。
ヒューゴー賞[ひゅーごー・しょう](参考)
日本からの参加者ももちろん投票資格があるが、なにしろノミネート作品は翻訳されてないものが大部分なので、大抵は投票できず...まことににもったいない。
日本から参加する時には「ヒューゴーの投票資格が無い代りに参加費がちょっぴり安い」というオプションが選べると良いのだがなあ。
ところで「星雲賞」を英語に直訳すると「ネビュラ賞」になっちゃうので、海外のファンからは「紛らわしくて、面白い」と変な評判をとっているそうな。
しょうがないけどね。
ファーストレンズマン[ふぁーすと・れんずまん](ファーストレンズマン)
レンズマン・シリーズ正統4作と「三惑星連合軍」とをつなぐブリッジとして書かれた。小説としての出来栄えは正統4作には及ばないものの、決して悪い出来ではない。
フェイドン[ふぇいどん](宇宙のスカイラーク)
フェナクローン(人)[ふぇなくろーん](スカイラーク3号)
May the force be with you[ふぉーす・と・ともにあれ](スターウォーズ?)
行きたいんですけどねぇ....。
負の球体[ふ・の・きゅうたい](レンズマン・シリーズ)
グレーレンズマンにおいて初登場するが、その後も「決戦」にはちょくちょく登場する銀河パトロール隊の最終兵器の一つである。
現在我々が想像するような「反物質爆弾」とは少々異なり、物質/反物質反応による効率100%の物質→エネルギー転換は発生せず、接触したところから粛々と無に帰していくというもので、当然ながら物質的なあらゆる防御手段は通用しない。
こういう映画的な配慮があちらこちらにちりばめてあるところが、レンズマンが今読んでも十分楽しい所以ですねえ。
フューチュリア[ふゅーちゅりあ](キャプテンフューチャー・シリーズ)
当初はもっぱら水星人の移民先として計画されたが、太陽系政府による一大プロジェクトであることから、恐らく他惑星人に対しても段階的に開放されたと思われる。
この「フューチュリア建造」計画そのものはいかにもハミルトン好みの大スケールなアイデアだが、「ニューディール政策」の巨大公共事業がヒントになった可能性も....ある。
プランジャ[ぷらんじゃ](宇宙のスカイラーク号)
ブリタニア号[ぶりたにあ・ごう](銀河パトロール隊)
ご存知のように最初の航海で破壊されたため、キニスンがこの艦の正式な艦長に任命されることは遂になかった。
新しいアイデアに満ちた設計だが、同時に全く実績のない艦のため、ベテランのレンズマンを失う可能性を恐れたパトロール隊本部により新人が選ばれた、というのが実状であった。
パトロール隊本部にとって、キニスンは「非常に優秀だがド新人でもあるし、失ってもさほど惜しくない人材」と思われたということだが、その後の展開を見ても分かるように「史上もっとも得難い人材」だったのだ、くわばらくわばら、責任者出てこぉい!。
プレセッション[ぷれ・せっしょん](参考)
上記をXYZ直交座標系を例にとって説明すると以下のようなことになる..
今、次のようなXYZ空間があったとする。
このような場合、回転軸がY軸に平行で回転方向が時計周りの回転体を考えると、回転体の回転ベクトルはY軸と同じ向き(極性)となる。
以上のような2つの回転ベクトルの加算結果であるが、平面状のベクトル加算と同じに扱って良く、この場合は元の回転体の軸に対してやや上向きのベクトルとなる。つまり外部から力を加えた後の回転体の軸は元の方向よりも上向きになる。回転体に最初に加えた力とは直角方向に軸が動いてしまうのである。
航空ファンなら良くご存知と思われるが、「左ひねり込み」とは二次大戦における海軍航空隊の秘技のひとつであり、特殊な操作で左へ左へと回り込むことで高度を落とさず小さな半径で旋回する(通常は航空機が旋回すると必ず高度が落ちてしまう...)というものである。撃墜王・坂井氏はこの技の名手の一人で、10機以上の敵機に囲まれた時にもひたすら左旋回で敵弾を避けつづけ、遂には生還したという驚くべきエピソードの持ち主である。
さて、零戦が左旋回することの長所として、従来は「右腕でスティックを倒す時に力を込めやすい」「零戦のプロペラの回転が操縦席から見て時計周りなので、左旋回時の機体の傾く方向がプロペラの反トルクの向きと一致し、運動しやすい」などの理由に帰されることが多かった。
プレセッションは角運動量をもつもの全てに適用されるので、例えば自転式宇宙ステーションやスペースコロニーの姿勢制御を行う場合には、非常に大きな影響がある。単純にバーニアジェットを吹かすだけでは「あさっての方向」に傾いてしまい、ニッチもサッチもいかなくなること請け合いである。
また一連の木馬形戦艦には自転式の人工重力区画(居住区?)が組み込まれているようであるが、この回転区画の持っている角運動量によるプレセッション(船首を振るたびに発生する)も、馬鹿にできないトルクになると思われる。
実際には良好な運用実績だったと言われ、また後継艦が次々建造されている事実から見ても、上記のような問題は解決済みであった訳だが、どのようにして回避しているのか実に興味深い問題である。
一見すると不思議な現象であるが原理は簡単で、回転ベクトルの単純加算によるものである。
1)XY水平面のY軸は手前から奥に向かった軸,X軸は左から右に向かった軸とする。
2)Z軸は下から上に向かっている軸とする。
この回転体の軸をXY平面に平行に右から左に振る(回す)ように力を加えてやるとすると、この追加された運動=Z軸周りの回転であり、その回転ベクトルはZ軸に平行で同じ向き(極性)となる。
以上でも十分にも思えるが、これにプレセッションの効果を取り入れると「左旋回時には機首を上向きにする力が加わる」ことになり、「旋回時に高度が落ちにくい」という「左ひねり込み」の特長に合致するのである。
プレセッション現象はSFにも多いに関係があるからである。
ジ○ン公国のコロニー落し作戦が失敗(思った場所には落ちなかった)のも、連邦軍の防御射撃による爆発などが一種の偏心トルクになって、自転するコロニーの姿勢を思わぬ方向に捻じ曲げてしまったとは考えられないだろうか?
構造によっては船体をねじるように作用する可能性も有るし、設計には非常に神経を使うことであろう。ことにホワ○トベース型のように回転区画を船体の左右に持っている場合は特に問題である。区画の回転方向が同じであれば、それぞれに発生するトルクが合わさって船首を変な方向に振ってしまうし、反対に回転方向が食い違っていれば、今度は船体をロールさせるような力が作用しかねないからである。
プロトン砲[ぷろとん・ほう](キャプテンフューチャー・シリーズ)
照準は肉眼+手動のようだが、おそらくオットーとグラッグには、コメットのFCS(火器管制システム)から直接ジャックインできるようなコネクタが目立たない位置に付いているのではなかろうか。なまじコメットの速度が速いだけに、移動目標に命中させるのが並大抵の苦労でないことは直感的にも想像が付く。
キャプテンフューチャー・シリーズに登場する宇宙艇が装備する武器は「熱線砲」が一般的のようだが、原作によるとコメットのプロトン砲はそれらよりも射程・威力ともに数段勝ると書かれている。
もちろん、出撃前に「圧縮・陽子カートリッジ弾」を専用に積み込んでいるという設定もOKである(こんな時、何でもありと言うのは強いです...)。
以上のことから、プロトン砲の方が命中した時の威力は大きくとも「熱線砲」より多少は回避し易い筈で短中距離での撃ち合いならコメットが不利なようにも思われる。
最初の方で延べた「オットーとグラッグに照準データをジャックインするコネクタが付いているのでは?」という推測は前者を成立させる場合の前提条件とも言える。
後者の場合は、コメットの装甲が他のそれと比べて異常に装甲強度が高いことを示すものだが、本当にそうなのだろうか?
戦闘艦の場合、自分の主砲と同威力の攻撃に耐えるように設計するということをご存知だろうか?
コメットと撃ち合うことになった船のブリッジでは「なんてこった!あの船は戦艦並みのビーム砲を持っているのかぁ!!」だの「直撃の筈だぞ。フューチャーメンの船は化け物かぁ!」なーんてお約束の会話が交わされているのじゃろう。
同じ素粒子砲の一種である「電子ビーム砲」と無理矢理比較してみたところ、ちょっと面白い結果になった。
陽子は電子に比べて約6000倍重たいから、単純に計算すると「6000の3乗根=約18」という訳で、陽子を打ち出す砲は電子のそれに比べて口径で18倍以上と考えられる。
これはどの程度の違いかと言うと、片方を1インチ(2.5センチ)砲とすれば、もう片方は18インチ(46センチ)砲ということである。ちなみに2.5センチ(25ミリ)砲と言えば、軽戦車の搭載砲であり、一方の46センチ砲は言うまでもなく「大和級戦艦」の主砲である。これはもう豆鉄砲と大筒以上の違いがあると言って良い。
...こちらの方が「燃える」設定かも。
一方「プロトン砲」の射線の場合は光子以外の粒子を撃ち出すのであるから光速未満であり、恐らくはもっとずっと遅いはずである。
ところが、ご存知のように原作を読む限り「実戦」の結果はコメットの圧勝で、先に延べたようなハンディキャップは感じられない。これは「相手のビームが命中しないが、こちらのビームは百発百中である」または「相手のビームが命中しても全然平気であるが、こちらのビームには相手が耐えられない」と考えるほかはない。
答えは原作に載っていて、「謎の宇宙船強奪段」巻末でハミルトンが説明している通り、コメットの外壁は「太陽のフレア」にも耐えられるような耐熱性能を付与されていることになっている。目的が目的だけに船殻のすべてがこの耐熱性能を持っていると考えられる。これは「熱線砲」に対しても非常に有効であろう。
これを適用すると、コメットの場合は「プロトン砲の直撃に耐える船殻」を持っている筈になり−−−数段威力が有るという記述を信じると−−−これはまあ不死身の怪物と言って良いのではないだろうか。
プロパーSF[ぷろぱー・えすえふ](参考)
ミステリで「本格ミステリ」および「変格ミステリ」と分類されているのと「同じノリ」で「本格SF」と意訳されることが多い。
「大人の観賞に耐えるSF作品」、またはファンタジーでない「ストレートなSF」程度の意味にとっておけば良い。
噴射管[ふんしゃ・かん](キャプテンフューチャー・シリーズなど)
記憶に頼った想像で申し訳ないが、このモデルというか原イメージは「ゴダートのロケット」ではなかろうか。確かあれのブースター部がかなり細長い形だった筈である。もちろん単純なストロー型ではなく、燃焼室の直後の内壁はきちんと漏斗形に整形してあったと思うが、それでも「噴射用の管」というイメージを持つには十分であったのだろう。
ゴダートのロケットが打ち上げられたのが1926年である(これはガーンズバックがアメージング誌を創刊した年でもある)から、当時としてはゴダートのロケットは「最新かつ現実に実現した最初の宇宙船」であった。現在の様に豊富な資料のない時代ではほとんど唯一の「ロケットに関するもとねた」だったのだから、パルプ雑誌のイラストレータたちに与えた影響は大であったろう。
それともう一つ、当時の航空機のエンジン(レシプロ星型)の排気管の形も大きな影響を与えていると思われる。
宇宙英雄群像やSFファンタジアなどに掲載されている野田コレクションを見ると、パルプ雑誌の表紙絵掲載の宇宙船には、当時の飛行船や航空機からデザイン・ヒントを得たと思えるものが少なくない。
で、ひとたびこういう「当時としては斬新な」デザインが発明されるや、そこいらじゅうに似たような「いただき物」のデザインが蔓延するという現象は現在でもよくあることで、このなかから排気管のイメージが最終的に生き残ったのではないかな?...と推察されるのである。
当時の挿し絵に登場するロケットの噴射管が束(クラスター)になっているのも、もとがガソリンエンジンの排気管と思えば納得できる。
ベクトル[べくとる](参考)
ベム[べむ](参考)
ヘリポート[へり・ぽーと](参考)
東京近辺では新木場に東京ヘリポートがあり、報道用ヘリと警察消防用の機体が多数駐機している。
また、羽田空港の端の方にも新聞社のハンガーがあり、ここからも各社の機体が離着陸するさまを見ることができる。
現代のヘリコプターはほとんどターボプロップ・エンジン(ジェット・エンジンの一種)装備なので、ヘリポートは石油ストーブの臭い---ジェット燃料は灯油の親戚である---に満ちているところである。
芝浦ヘリポートは、とあるビルの屋上に鉄骨を立て足場と成し、その上に甲板を張ってヘリポートに仕立て上げた物で、全く邪魔物のないフラットな甲板上に上ると、レインボーブリッジを挟んでお台場が見渡せるという実に素晴らしいロケーションである。また遠目にはちょっとした航空母艦という雰囲気もあり、筆者のお気に入りの主張先の一つである。
芝浦ヘリポートは高速1号羽田線沿い(芝浦出口付近)にあり、高速道路上からも駐機している機体が(ちょっぴりだが)見える。機会があったら一度眺めてはいかが。
ホーマン軌道[ほーまん・きどう](参考)
その代わり、のんびり飛ぶのが許される「定期便輸送船」や「水素タンカー」のようなものには最適と思われる。
ホレーショホーンブロワーの生涯とその時代[ほれーしょ・ほーんぶろわーの・しょうがいと・そのじだい](参考)
ホーンブロワー外伝[ほーんぶろわー・がいでん](参考)
前者は最近「光人社文庫」に収録された。
ホーンブロワー・シリーズ[ほーんぶろわー・しりーず](参考)
翻案[ほんあん](参考)
黒岩涙香などの手によって明治の中頃などには盛んに行われたが、むしろこの頃は海外作品を翻訳する時のお約束みたいな物だったと考えるべきであろう。